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ケーススタディ

米国の法人税(3)

 
 

法人(株式会社)はその所有者である株主から法的に分離独立した人格を有する法的主体ですが、租税法上も原則として法人は株主から分離独立した租税主体として扱われることになります。法人は課税年度ごとに所得の計算を行い、その所得について法人所得税(Corporation Income Tax)を支払うことになります。法人が支払う法人所得税も「所得」を課税物件とする所得税である点で、個人が支払う個人所得税とその本質は異なるものではない、といえます。所得税の課税標準には、課税所得の金額が用いられます。法人所得税の税額は、この課税所得の金額に税率を乗じることにより算定されますが、個人所得税の場合と同様に原則として課税所得に応じて高い税率が適用されることになる超過累進税率のしくみになっています。日本では、法人税を個人による所得税の前払いとしてとらえていますから、累進税率の仕組みはとられていませんが、米国では法人の担税力に着目して課せられる独自の租税として捉えられていますので担税力に応じた公平な課税を実現するために個人と同様の累進税率の仕組みが用いられています。課税所得の計算は、個人所得税の場合と同様、総所得から控除項目を差し引くことにより行われます。総所得は日本の法人税法でいうところの「益金」、控除項目は「損金」に対応する概念です。日本では課税物件が共通の「所得」であっても納税者が個人か法人かにより適用される法律(所得税・法人税)が異なり、計算技術として算定方法で用いられる用語もそれぞれ異なりますが、いずれも適正な所得を計算するという点では共通です。米国歳入法では個人、普通法人、金融機関などあらゆる納税者が支払うことになる所得税について第A編が共通して適用されることになります。第A編では個人の納税者により支払われる所得税を土台として、法人について異なる取り扱いが適用される部分についてはそれを特に規定するなどの方法で共通部分が不必要に重複されたりすることのないよう合理的に構成されています。そこでここでは法人所得税について個人所得税と異なる取り扱いが適用されることになる部分を取り上げていくこととします。
○申告書:所得の金額にかかわりなく株式会社(普通法人)は一般的に様式1120を用いて法人所得税の申告行います。総資産・総収入・総所得が500,000ドル未満の法人は簡易版である様式1120-Aを用いることができます。様式1120の1頁目において勘定科目別に総所得の金額と、控除項目の金額が表示され、総所得(所得金額合計)から控除項目(控除金額合計)を差し引くことにより、課税所得が計算され、最終的に税額が算定されます。控除項目のうち欠損金控除(Net Operating Loss)および特別控除(Special Deduction)はその他の控除項目とは分離されて控除されることになります。
(この記事は2008年3月1日号のEAST-WEST JOURNALに山口登が寄稿し掲載されたものです)

 
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